山口修源先生 有難う御座います

山口修源先生に教えを受けて30年、日々の感謝の憶いを綴ります

昔話 捌

私が山口修源先生の武士道指導と出会った時のことは、今でも心に鮮明に刻まれています。理屈抜きで、実践あるのみという先生の教えは、まさに武士道の精神を具現化したものでした。

武士道修行とは、口先だけで「私は強い」と主張しても通用しない世界です。真剣に相手と対峙すると、自分自身が無防備にさらけ出されてしまいます。己に克つ心、逃げ出す心、誤魔化しようとする心――全てがそのまま見透かされます。

体格が不利な者でも、強者に立ち向かう姿には本当に感動します。普段は控えめなのに、いざとなると勇猛果敢に立ち向かうその姿勢は、誰もが敬服せざるを得ません。その一人ひとりが、何とも言えぬ素晴らしさを持つと感じています。

私自身、中高生当時は線も細く力がない存在でした。けんかなどはまるで経験なく、厭戦主義者のように争いを避けることが常でした。相手が間違っていると認識していても、戦うことからは逃げていました。なんとも情けない過去の私でした。

何かの言葉に、「負け犬とは負けた犬のことではない。負けるのを恐れ、尻尾を巻いて逃げた犬のことだ」とあります。あの頃の私は、まさにその負け犬だったのかもしれません。

中高生の時に武士道修行と出会っていたら、どんなだったでしょうか?

ああ、それでもやはり私は尻尾を巻いて逃げていたことでしょう。しかし今、その教えの重みを深く感じ、勇気を持って立ち向かうことの大切さを感じています。

それが、山口修源先生の武士道指導の素晴らしさなのです。